ことばあたまリハ室

地域で気軽に言葉の相談やリハビリを受けられる居場所を作りたい。

2001年に言語聴覚士となって以来、心の片隅に抱いていた想いを実行してみました。


 2001年に言語聴覚士となり、沖縄市のリハビリテーション専門病院の素晴らしい先生方やスタッフにも恵まれ、数多くの患者様や利用者様と巡りあう事が出来ました。

対象疾患は多岐に渡り、失語・言語障がい・高次脳機能障がい・発達障がいから心的要因に至るまで様々でした。年齢も幼児から壮年、高齢の方まで幅広く対応させてもらました。

 患者様が「障がいを少しでも良くしたい」「病前の様に戻りたい」とリハビリに粉骨砕身される姿を目の当たりにしました。私も一リハビリスタッフとして出来る限りの治療を提供しようと日々、研鑽を重ねました。

 

 入院期限もありますが、言葉のリハビリを身体のリハビリと同様に捉える方が少なくありませんでした。「家に帰れば散歩もするし、ユンタク(≒おはなし)するから、そのうち良くなるはず」と退院されてリハビリを途中で止めてしまう。リハビリ全般に当てはまりますが、中でも「言葉のリハビリ」に関しては根気強く継続する行動と意志が欠かせません。

 外来リハビリや月に一度の診察で再会する方が「あれほど入院中、頑張ったのに家に帰ったら、だんだん話せなくなった」「頭に言葉が浮かぶのに口に出すまで遅くなった」と耳にすることがありました。

 しかし問題は別の所にもありました。自宅やその周囲に気軽にリハビリを受けれる所が無いということです。確かに身体のリハビリを行ってくれる施設は多く、その中にも言葉の練習に尽力されているデイサービスも存在します。沖縄県内に言葉を専門としたデイサービスはまだ2ヶ所しかありません。長らく抱き続けてきた地域で気軽に「ことばの相談」や言語のリハビリが出来る居場所を作りたい、という思いを実行してみました。

 規模は小さいですが想いは大きく邁進していきたいと意気込んでいます。

 

リハ室周囲はウージ畑が広がる、のどかな住宅地に立地しています。駐車場も有りますのでお気軽に立ち寄って下さい。

 

完全予約制にしています。

待ち時間は生じないようにしていますが、ゆっくりティーなど味わいながらでも待っていただいても構いません。 

 

 

 


子育て本や疾患に関する書籍など各種、揃えています。

お茶やコーヒーなどを飲みながらこちらで待っていただくことも可能です。

付き添いの方にも知識を付けていただきたく医学書も置いています。一方でこの時くらい、のんびりしたいという方向けに趣味や調理の本等も設置しています。

有意義な時間を過ごしていただきたいと思います。

上記写真の出窓の部屋がリハビリ行う部屋になります。

プラットフォームもありますので横になることも可能です。

 

私が花とディズニー好きのため玄関アプローチは少々賑やかです。

道路から玄関まで段差はありません。

上がり框に段差があるので、スロープを作成してあります。

室内に入ってしまえば床面はフラットですので移動は容易です。

 

 

 

 

 

 

 

様々な疾患にも対応できるよう準備しています。

けれども詳細な評価が決して目的ではありません。あくまでも快適で心豊かな人生を過ごせるための一手段です。

 

病気等で悩む当事者の思いを具現化するように努めることが肝要です。

友人や家族たちと生活を楽しめること、思いを伝えあえるようになることがリハビリの目標です。

 

そのため、緊張を和らげるため、夫にも手伝ってもらい各手技やアロマを用いたリラクゼーションも提供することもあります。 

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

言葉の問題はとても深刻です。

突然の病気やケガによって当たり前と思っていた「言葉」が出ない、また出にくくなることは、すなわち「会話に困る」ことになります。

家族や友人、そして仕事での会話がスムースに行えない。そして周囲に理解者がいなければ孤立感を高めてしまいます。

 

ご本人やご家族だけで悩まないでください。メールや電話でも構いません。ご希望があればご自宅まで伺うことも可能です。

 

その上で、ことばの状況や声の出し方、発声やことばの組み立てなどの様子を見させていただきます。

まずは状況を把握してご本人やご家族、支援者の方々と今後を相談したいと思います。

詳細な医学的検査が必要ならば受診を、カウンセリングやリハビリが優先ならば、お近くの病医院の外来リハビリや当施設などを提案することもあります。

 

最も大切なのは諦めずに続けることです。 

せっかく入院中に日々努力リハビリ等を重ね向上した言語能力も、継続しなければすぐに落ちてしまいます。退院したら話しにくくなった、人と話すことに自信が持てなくなってしまったなどの相談を一緒に考えて取り組みませんか。

心豊かな生活を過ごしたい、そのような生活を支えたいと私は考えています。